ショック型広告:世界で最もショッキングな広告を解剖する

Emotions UNcoveredシリーズが帰ってきましたが、今回のテーマは驚きとショック!220万人以上ものオーディエンスの反応を集めた当社の感動データベースを再び活用して、ショックが世界中の広告でどのようにに使われ、オーディエンスにどのような効果を与えるかを探りました。

ショックはこと広告に限ると面白い感情ですが、その理由はアクション映画やホラー映画の予告編、公的サービスの公報を例外として、使われることが最も少ない心理的反応の1つだからです。

米国 – AT&T: Close to Home – It Can Wait

このゾッとする広告は、車の運転時に電話を使用する危険性の認識を高めるべく2016年に投入された、AT&TのClose to Homeキャンペーンの一環として発注されました。多くの回答者が最後のシーンを見るのが非常に難しいと思うほど、二極化した意見が示されました。この広告は強いショックに48%を記録し、当社が米国でテストした全広告の中で最も高いスコアとなりました。

詳細情報検索意向が42%と標準に比べ3%多く、後で広告について話すだろうと答えた回答者は62%だったのに対し、標準は38%でした。これはこの広告の人騒がせな性質、多くの視聴者をぼう然とさせたエンディングにおける強いショックのためと考えられます。

英国 – Think!: #PubLooShocker

英国運輸省(Department for Transport)のTHINK!キャンペーン用に制作されたこの広告は英国でショックの最高点を獲得しました。飲酒運転の帰結的意味の認識を高めるため、ロンドンのパブでの一連のドッキリロケを通じて作られました。

回答者の54%がこの広告を強くショッキングであると感じました。これはドッキリが行われた時に回答者が感じた予期せぬ驚きとショックのためと考えられます。詳細情報の検索意向は標準より低く(16%対31%)、広告について話題にしたい回答者は 標準よりも多くなっていました(36%対30%)。これはドッキリ動画がオンラインで極めて人気が高いこと、広告が重要なメッセージを伝えているという事実のためと考えられます。

この広告は人々の話題にさせる点ではうまく機能しましたが、多くの視聴者は広告を見た後で飲酒運転の意味についてさらに詳しい情報の検索を必要とする、あるいは検索したいと感じなかったため、果たして望ましい効果を発揮したかどうかについては疑問を投げかけていることが分かって興味深いものがあります。

オーストラリア – UNICEF: A storybook wedding – except for one thing

UNICEFがこの広告を制作したのはチャイルド・マリッジの認識を上げるべく、2016年に行なったキャンペーンの一環でした。この広告の時点では年間1千5百万人の少女たちがチャイルド・マリッジの犠牲となっっていましたが、2019年の時点でこの数字は1千2百万人に下がりました。

この広告は35%の回答者にショックの感情を呼び起こし、標準より高い32%の回答者が広告を見た後でさらに詳しく知りたかったと述べました。これは恐らく広告の作りが長いため視聴を止めたり、視聴者にショックの数値を残したために、これが起きている理由について調べることを促したと考えられます。42%の回答者が視聴後に広告について話題にすると述べましたが、このマーケットの標準は26%であり、適切な方法で行われればショックを与えることが認識の広まりにいかに威力があるかを示しています。

日本 – Bodyform: Blood

昨年、Bodyformは世界中でオーディエンスを感動させた広告を作り、多くの賞を受賞しました。

日本でのこの広告の評価は一筋縄ではいかず、回答者の13%がそれをショッキングと見なし、このマーケットでテストした中でショックのスコアが最も高い広告の1つとなりました。購入意向は標準以下で(9%対13%)、その理由は回答者の4%しかブランドが何であったか思い出せず、ブランド提示の弱い広告であったという事実が原因と考えられます。

さらに、高いレベルの混乱と嫌悪により肯定的な回答が抑えられました。結果として、この広告は視聴者のブランドに対する感じ方に悪い影響をもたらし、好感度はベンチマークの半分以下(ベンチマークの27%と比較して11%)となりました。回答者の8%が仲間の意見を求めるために動画をシェアすると述べましたが、標準の11%と比べると、これまで見てきた他の広告のいくつかと比較して非常に低くなっています。ここでもまた、人によっては見ることが非常に難しく、シェアしたいと思わないシーンと相まって、視聴者が何について宣伝している広告か分からないためであると考えられます。

以上の広告を見てみれば、広告をオーディエンスに話題にさせる、シェアさせることにおいて、ショック型広告は大変効果的に作用する可能性があり、このことは慈善団体や公共サービスの公報で特に該当します。

ショックの使い方を誤った有名な例が、2015年のスーパーボウル中に放送された全米向けのMake Safe Happen 広告です。この広告は悲しみが13%、さらに混乱と嫌悪は両方とも高く出ました。その結果、購入意向、シェア意向、検索意向は平均を大きく下回りました。Make Safe Happen 広告はスーパーボウルでのデビューの数時間後に放送電波から消え、SNSで論争を起こしました。

ショックが使われている広告の素晴らしい例がGEICOのスキップ不可広告です。この広告でのショックはこれまで見たものと比べるとさほど高くないにせよ、陽気さ(20%)や幸せ(19%)などの肯定的な感情を呼び起こすために使われています。たくさんのブランドが広告にショック的ユーモアを広告に使用し、広告を人々の話題にさせています。これはスーパーボウルのスポット広告でしばしば見られ、2018年からのMountain DewとDoritosの Rap Battle、今年からのDevourのFood Pornのスーパーボウル・スポット広告などがあります。

次回、認識を広めることが目標であるキャンペーンを企画する際、ショックを呼び起こすことがどのくらい役立つかを考える価値はあるでしょう 。すべての強い認知的および本能的な反応(驚き、知識、怒り、覚醒、恐れ)と同じように、一つ間違えば壊滅的な効果をもたらす恐れがあるため、広告主やブランドはショックを正しい文脈、正しい方法で使うように注意する必要があります!