消費者の「心」が動く瞬間とは – 前編
今回は、誰にでもある人間の心理的な「錯覚」を理解することで動画広告を消費者の記憶に残すことが出来るというテクニックを、Unrulyが最近行った「ピーク・エンド法則」に基づいた調査事例をもとにご紹介します。
人間は、一般的に過去に起こった出来事を誤って記憶するという心理的特徴があります。この認知バイアス(認知的錯覚)を動画広告の観点から見ると、消費者は自分が観た動画広告の内容やブランド名を正確に覚えていることはほとんどないという現実があります。しかし、この記憶の誤りという心理的特徴をむしろ利用することによって、他の動画広告ではなかなかできない消費者の記憶に残すという可能性を非常に大きくすることができるのです。人間の感情と記憶の関係を理解することで、動画広告の中で感情のピークをもたらすシーンを作り、心が動かされた瞬間が記憶に残るという人間の心理的特徴を活用できるのです。
「感情のピーク」がある動画ってどんな動画?
物語構成がシンプル
有名なセレブを起用しなくてもシンプルな物語構成を活用し、視聴者に「気分が良い」、「良かった!」と思わせることで動画広告を観ている人の心を動かすことができます。このイギリスの菓子メーカーの動画広告「お母さんの誕生日」では、動画最後に女の子の母親に対する想いがお店の人の親切によって報われたという結末によって、視聴者は非常に心を動かされました。
場面(シーン)がシンプル
シンプルであることの重要性は物語構成だけではなく場面の選び方にもあります。物語の構成上で重要な場面において、特定のキャラクターに焦点を当てたりクローズアップする手法を頻繁に用いることで、視聴者の注意を引くことができ、音楽やナレーションなどを使わなくても視聴者が物語を理解しやすくなります。映像で視聴者の注意を引くことで、より記憶に残り、更に、物語を意図通りに視聴者に理解されていることで大きく「心を動かす」ことができます。また、音楽に頼らなくてもビジュアルで視聴者の理解を促すことができるのは、「無音再生」がデフォルトの環境で動画広告の配信をする場合にも非常に重要となってきます。
今回は、動画広告の終盤に物語のクライマックスを持ってくることで消費者の「感情のピーク」をもたらす事例をご紹介しました。次回は物語の中に「感情のピーク」をいくつも作ることで、消費者の記憶に残す事例をご紹介します。
不安定な時代におけるブランドコミュニケーションとブランド構築/ブランド維持
まだまだ先行きが不安な中、ブランドがどのように消費者とコミュニケーションをとっていくのかは、非常に難しい課題です。しかし、こんな時だからこそ消費者はブランドに前向きで明確な姿勢を示して欲しいと感じています。明確なメッセージを消費者に伝えることが出来れば、ブランディングにもインパクトがあります。
弊社は、世界的に先の見えない不安がある中で、少しでもブランドや広告主のお役に立つようなインサイトを得るために動画クリエイティブに対する消費者の感情反応を分析する「UnrulyEQ」を活用し、調査を行っています。現状のような先行き不安な状況においても感情反応を活用し視聴者を引き込む動画広告キャンペーンはブランドが信頼を得、中長期的なブランディングに効果的なことが分かってきています。Unrulyの感情分析ツール「UnrulyEQ」は、ブランドのメッセージが消費者に意図通りに伝わっているかを確認することが可能です。最新の事例はこちらからご覧いただけます。
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